2011/02/05

Fw:出逢って即ハメ�匿アドで遊んじゃぉ�

「確かに声がしたんだって」
何度も男は必死に言うが、その場に取り持つほどの世量を持つ輩もおらず軽くハイハイとあしらわれてしまう。
「ホントに"寿司が半額だ"って耳元で言ったんだってば!」

今思うとそれは斎藤の声だった気がする。
そう、記憶のコダマが5という数字をきっかけに響きだしたのだ。

刻は夕暮れ。
立春が過ぎたばかりの季節の夜が顔を覗かせ、ふと息を吸うと昼の熱を名残惜しく残したつめたさが一度の震えを誘う。
赤と紫が映える駅の陸橋沿いには、見知らぬ人達の行列が並び、今際の生を喰らわんとする。
……それもいいのだろう。
365日の内たった12回。男のこれまでを計れば、332回のチャンスのうち、ものにできたのは4回。
なんと愚かな日々を送ってしまっていたものだろうか。

今そこに天国がある。いや龍宮城といったほうが近いのかもしれない。
頭上で通りすぎる東西線の車輪が鉄の段差を踏んだ音の速さに負ける気がしない鼓動だ。
『ただ闇雲に楽しもう。』

腹を決めた男の強い。
決めた男の腹は太い。

つづく、、、

会社が終わったら向かいます。

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